2020年8月7日(金)、「AIDS文化フォーラムin横浜」のプログラムの一つとして「私たちを分断する様々な『ダメ。ゼッタイ。』 ~行き過ぎた予防啓発と規制の功罪~」が開催されました。
この間、ラッシュ裁判について、ずっと取材を続けて来られた
🔊オンラインマガジン「g-lad xx(グラァド)」https://gladxx.jp/
の後藤純一さんが、以下の記事を配信してくださいました。
🔊「私たちを分断する様々な「ダメ。ゼッタイ。」——コロナ禍の今だからこそ真剣に考えたいこと」https://gladxx.jp/column/goto/6567.html
2020年8月23日配信
1時間半に及ぶイベントの内容が分かる労作です。
ラッシュ規制のことだけでなく、コロナウイルス、HIV、薬物など、広い視点のなかで、クロストークされた様子がよく分かります。
次のような発言が記録されている点も注目されます。
松本俊彦精神科医の発言から
「いちばん危険な薬物はアルコールなんですよね。健康被害に関する有名な研究でも、アルコールがトップ。人に迷惑をかけるし。ヘロインやコカインよりも危険。現実の規制は、その薬物の危険性とは比例していません。RUSHは、どさくさにまぎれて規制された感がある。巻き添えをくらったというか…」
「RUSHは危険ドラッグ規制の時期のどさくさで指定薬物にされてしまった。コロナもそうだと思うけど、おかしいということに気づかなくなっている。RUSHの時は、私たち専門家もだらしなかったと思う。声をあげるべきだったと反省している。間違いは間違いと。優生保護法の例や、アパルトヘイトやホロコースト、国が合法的に間違いを犯すこともあるんです。そういう意味で、人々のインテリジェンスや教育も大事。」
森野嘉郎弁護士の発言から
「正直に言うと、私もRUSHに関しては他人事でした。RUSHはもともとセックスドラッグの一種で、大して害はなく、これで捕まるようなものではなかった。覚せい剤とかは規制に反対するわけではないですが、RUSHは過度の規制だと思います。公務員が懲戒免職になるのはひどい。法律がおかしい、無罪としか考えられない。」
岩室伸也医師の発言から
「RUSHは依存症の現場で問題になっているのを見たことがないですね。規制すると決まったから守る、ではなく、すべてにおいて、みんな自分事として考えよう、ということです。コロナも同じ。」
ヒデ(ラッシュ裁判被告人)の発言から
「かつてHIV陽性者の人が差別を受けて、今はホストの人も。どうしたら偏見を払拭できるか。判決が出るまでの3年はつらかった。定職にも就けない。「ダメ。ゼッタイ。」にする社会の有害性ということを感じました。控訴も大変ですが、頑張ります。」
後藤さんは、次のように綴って文章を終えています。
「私たちは社会のおかげで生かされているし、その社会をつくっているのは自分自身なのだということ、だから、社会のいろんな問題に対して主体的に考え、意見を言い、参加していくことや、性的マイノリティやいろんな社会的マイノリティの人たちが生きやすい社会にしていくことが大事、という、基本的かもしれませんが大切なことを、あらためて実感できる機会になりました。」
🔊日本が違う? 国際的な薬物施策は非犯罪化 (松本俊彦氏の記事紹介)
ラッシュ(RUSH)裁判オンライン報告会開催
2020年9月5日(土)14:00~15:30
【千葉】ラッシュ裁判の地裁一審判決は、弁護側の主張のほとんどが受け入れられないものでした。
〈ラッシュ〉は「指定薬物」になっていますが、規制過程や、刑罰を科すほどの有害性に、充分なコンセンサスが得られていません。
控訴を前に「ラッシュ裁判」の意義や地裁判決の解説、今後の動向を一緒に考える場を設けます。
コロナウイルスの影響も踏まえ、zoomを使ったオンラインでの開催となります。(要申込)(無料)
本会では、活動に向けて支援・寄付をお願いしています。
僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話 [ 塚本 堅一 ]
価格:1,650円 |