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関税法改正で多くの摘発が

指定薬物制度導入当初から、指定薬物の販売や、(販売を前提とした)輸入は規制されていました。

しかし、個人で輸入しようとして税関で発見された場合、「輸入してはならない貨物」に指定されていなかったため、税関では没収などができず、持ち主に任意処分を求める以上のことはできませんでした。

その点を解消しようと、2015(平成27)年4月から、関税法改正により、指定薬物の輸入は禁止され、税関でも摘発することができるようになりました。

違反すると、10年以下の懲役または3000万円以下の罰金が課せられます。


🔊平成27年4月1日より、関税法上、指定薬物の輸入が新たに禁止されます

http://www.customs.go.jp/mizugiwa/smuggler/designateddrugs.htm


そして、関税法の改正された2015年の指定薬物の摘発数は、驚くことにその9割がラッシュ(亜硝酸イソブチル)だという実態が明らかになりました。


🔊平成27年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(平成28年2月19日)詳細

https://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/mitsuyu/cy2015/ka280219a.htm


2016(平成28)年も、指定薬物の7割がラッシュ(亜硝酸エステル類)でした。


🔊平成28年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(平成29年2月23日)詳細

https://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/mitsuyu/cy2016/ka290223a.htm


2017(平成29)年は、規制の効果があり、摘発数は激減し、ラッシュの統計数は表れてきません。


🔊平成29年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(平成30年2月23日)詳細

https://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/mitsuyu/cy2017/ka300223a.htm


しかし、ラッシュの比率が格段に高いことはうかがえます。

これは、ラッシュのもたらす作用が、他の薬物とは異なり代替されるものとはなり得ないため、根強い需要があるからではないかと考えられます。


ただ指定薬物制度は本来、麻薬や向精神薬などと類似する精神毒性を持つ薬物の供給を規制するものであったはずなのに、ラッシュのような比較的人体的危害の少ない薬物の摘発に、これだけの労力と費用が割かれていると考えると、その妥当性に疑問を抱かざるを得ません。


なお29年度以降、ラッシュの摘発は表面化していませんが、アンダーグラウンド化している可能性も想定されます。

また、覚せい剤などの摘発率が増加していることは、ラッシュのような比較的人体的危害の少ない薬物の規制の強化が進んだため、そのような薬物の使用へとスライドしていった可能性も考えられます。


🔊全国でラッシュ輸入事件の処分が続く(弁護士小森榮の薬物問題ノート)

https://s.webry.info/sp/33765910.at.webry.info/201508/article_4.html



🔊「ラッシュ」についてまとめ(弁護士小森榮の薬物問題ノート)

https://s.webry.info/sp/33765910.at.webry.info/201601/article_4.html


🔊「ラッシュ」輸入でいきなり逮捕(ぷれいす東京スタッフ日記)

http://ptokyo.org/blog/post/6857