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「ラッシュをめぐる最前線」イベント大盛況

9月30日(土)に新宿Doragon Menで行われた

🔊トークイベント「ラッシュ(RUSH)をめぐる最前線」

は、台風の近づく天候にも関わらず、続々と人が集まり、出演者を含め80名近くの来場者で会場は埋め尽くされ、スタンディングで聴いていただく方も出るほどでした。

30人くらい集まればいいかという予想をはるかに超え、資料も行き届かない方も出てしまいました。お詫び申し上げます。

この問題への関心の高さが伺えるイベントだったと思います。


14時から、ラッシュ逮捕当事者でもある塚本堅一さん(元NHKアナウンサー)の進行でスタート。


まずは生島嗣さん(ぷれいす東京)から、国内のラッシュ規制の経緯とその拙速さ、関税法の改正後、摘発された多くがラッシュだったこと、規制後もゲイを中心に使用されていることを示す調査などが紹介され、一度指定された薬物を戻す仕組みや、薬物のことを自由に話せる場の必要性を投げかけました。


🔊ラッシュの基本情報

🔊関税法の元の摘発状況

🔊ラッシュ使用実態



次いで古藤吾郎さん(日本薬物政策アドボカシーネットワーク)から、国外の情勢について。アジアでは、販売を規制する国はいくつか確認できたが、個人が所持使用していただけで逮捕されるなどは確認出来なかったこと、韓国でオーストラリア人がラッシュを輸入したが、イギリスの研究に基づいて有害性が低いと無罪になったこと、イギリスでラッシュを規制する法律が提出されたとき、専門家や保守系のゲイ国会議員が反対したこともあり、規制されなくなったこと、オーストラリアでラッシュを規制する動きがあるが、ゲイコミュニティを中心に反対運動が起こっていることなどが話されました。

国際的に薬物政策は司法(刑罰)から健康福祉の方向になっていることが示されました。


ラッシュ逮捕当事者として、KENさん(バー経営)からは、156本ものラッシュをロンドンから輸入していたが、万一捕まっても謝れば許してもらえるような軽い気持ちだったこと、66日間にわたる勾留と家族の支援に心を痛めることもあったが、情状酌量を訴え、釈放されたこと、ラッシュのことをよく知らない人が取り調べ、弁護し、判決を下すことは腑に落ちなかったことなどが、面白おかしく語られました。


塚本堅一さんは、ラッシュに似た合法のものが作れるというネットサイトから製品を買い使ったものの、その業者が内偵されていたため、警察麻薬取締部の大規模な家宅捜索を受け逮捕勾留。罰金刑で判決が出た後も、多くの人に迷惑をかけた責任から外に出ることもできず、うつ状態になってしまったことなどが、時々、涙ぐみながら語られ、ラッシュの情報が少ない現状に少しでも役立てればと締めくくりました。


🔊KENさんと塚本さんのインタビュー


ヒデさん(元地方公務員)は、医薬品の個人輸入代行業者サイトから、法に触れることはないと書かれていた文言を信用し購入したところ、税関に告発され、警察の捜査が及んだとき職場に知られ懲戒免職になったこと、起訴され、生島さんを通じて森野嘉郎弁護士に弁護をお願いしたこと、裁判に臨むなかで、ラッシュが指定薬物とされた過程に過剰な規制がされたことが見えてきたため、無罪を主張して裁判に取り組んでいることが語られました。


森野嘉郎さん(弁護士)からは、以前からゲイの弁護をすることはあり、ラッシュは規制しないでもいいと思っていたが、ヒデさんの弁護を進める中で、法規制のあり方そのものに疑問を抱くようになったこと、過剰な規制で社会から疎外されることに静かな怒りを感じるようになったこと、誰かが声を挙げて変えて行く必要があることなど、弁護士の立場から説得力のあるコメントが語られました。


🔊指定薬物制度導入時の疑問点

🔊裁判への取り組み


16時の終了後、30分ほどの交流タイムも設けられ、各所でトークの輪が出来ていました。


国内でラッシュをテーマにしたトークイベントはおそらくこれが初であり、硬軟に及ぶ多面的なトークが繰り広げられ、これをきっかけに、ラッシュの規制について、もっと議論を巻き起こす必要性のあることを、参加者の多くが、実感できるイベントになったことと思います。


また多くのカンパも寄せられました。こちらは裁判に関わる費用に使用させていただきます。





画像提供元:g-lad xx(画像クリックで記事へリンク)
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