千葉地方裁判所で争われている「ラッシュ裁判」とは別に、横浜地方裁判所川崎支部でも、「ニトライト」(亜硝酸イソプロピル及び亜硝酸イソペンチル)を海外から個人輸入・所持したとして、医薬品医療機器等法並びに関税法違反に問われ、罰金刑の略式命令を受けた男性が、それを不服として争っている「【横浜】ニトライト裁判」の公判が、以下のとおり開かれます。 日時 2020(令和2)年5月22日(金)午後 🔊横浜地方裁判所川崎支部 ※詳細は被告人のプライバシーの観点からお問い合わせください 内容 検察側証拠調べ 裁判の概要 東京近郊に住む自営業の40代男性は、20代後半より精神疾患を患い、病院からの処方薬を服用していたものの合わず、30代後半より「ニトライト」と総称される薬品を「自己の医療目的(セルフメディケーション)」として用いたところ効果を得られたことから、インターネットサイトなどを通じて、数十回以上、個人輸入を繰り返してきました。 2018(平成30)年も数度に渡り輸入をしていたところ、同年10月31日、横浜税関及び警察による自宅捜索を受け、以降、税関・警察・検察の取り調べは12回に及びました。 男性は、あくまで「自己の医療等の用途」のために輸入所持したもので、「違法性の認識はなかった」旨の主張を行いました。 そして、2019(令和元)年12月2日、「略式命令」として「罰金80万円」の命令が出されました。 しかし、男性は、千葉の「ラッシュ」(=ニトライト)裁判のことも知り、自分の行為が罰金刑にされることを受諾せず、2019年12月17日、正式裁判を申し立てました。 2020年3月4日、第1回公判が開かれました。 5月22日は第2回公判となります。 この「横浜ニトライト裁判」は、「医療目的として違法性の認識はなかった」ことと、ニトライト(亜硝酸イソプロピル及び亜硝酸イソペンチル)は、「指定薬物の構成要件を満たしていない」ことを主張し、無罪を争うものです。 関心のある方の傍聴をお待ちしております。 ただし、被告人のプライバシー保護の観点から、実名での情報拡散はご遠慮をお願いしております。 その点をご理解のうえ、一人でも多くの方に、この裁判の進展を知っていただきたいと考えています。 詳細な時間などについては、本会までお問い合わせください。 🔊お問い合わせ ※「ニトライト」は「亜硝酸エステル類」と分類される薬物の別称です。「ラッシュ」は「亜硝酸エステル類」で製造されたアメリカにおける商品名です。会としては、日本で一般に呼ばれる「ラッシュ(RUSH)」の語を、千葉裁判も含めて、用いていますが、横浜の裁判については、千葉の裁判と区別を意図することと、被告人の利用目的が「医療等の目途」を主としていることを踏まえて、「ニトライト」の語を用いることにしています。 🔊指定薬物制度の議論は充分だったか? 🔊ラッシュ裁判